第11回 最先端ゲーム機の処理能力を問う

FF10-2本編の三ヵ月後の話としてFF10-2 IN+LMに追加された「ラストミッション」は、本編とはがらりと変わって「ダンジョン型RPG」が採用されている。その為、本編でのスピーディーで緊張感溢れるATBと同様のものを期待していた人にとってはさぞかし残念な思いがあった事だろう。
その点私は、スクウェア・エニックス発のダンジョン型RPGである「チョコボの不思議なダンジョン」シリーズ等をプレイした経験こそないが、同じシステムの「トルネコの大冒険 不思議のダンジョン」シリーズはこよなく愛していただけあって、これに関するシステム的な不満は一切持ち合わせていなかった、そう、実際にプレイするまでは。それもそうだ、何故ならば当時、私の頭の中にある「ラストミッション」のイメージ像はすべからく「トルネコ」のそれと同一なものであったからだ。「1000回遊べるRPG」を単なるキャッチコピーとさせなかったこの私が、そこに如何なる疑念を見出せようか。

ところが、である。実際に「ラストミッション」をプレイし始めた私は、すぐさまそれまで想像していたものとは明らかに程遠い何かを感じていた。端的に言ってしまえば、ややプレイし辛いものがあったのである。
まず辛かったのは、ダッシュ機能がない事であった。かの「トルネコ」シリーズにおいてはちょっとでも操作に慣れてしまえば通路の角でモンスターと鉢合わせする危険性も何のその、「ハラヘラズの指輪」を装備してしまえば満腹度の事まで忘れて部屋の中でだってダッシュするばかりであったのに、「ラストミッション」ではただひたすら歩くしかないというのである。否、グラフィックを見るにあの通常移動こそがダッシュであったらしいのだが、それがどうであるにしろ「トルネコ」シリーズにおけるダッシュ速度とは比になる筈もないものである事だけは確かである。

とは言え、それはまだ小さな問題である。何となれば「ラストミッション」の舞台、ヤドノキの塔において生成されるマップは、「トルネコ」シリーズのそれと比べ随分と小さいものであるからだ。本当の問題は他にある。
処理速度だ。もしかしたらこれは、我が家のプレステ2の方に、購入してから結構な期間が経っていたとかいう問題があったからという事である可能性も否定はし切れないが、しかし「トルネコ」シリーズのプレイ経験があり、まるでそれをプレイするかの様な気分で「ラストミッション」を始めようとする方がもしいるなら留意しておいた方がいいだろう。その処理速度は中々に遅い。
プレイし始めはいい。先に述べた通り高速移動が出来ないという問題こそあれ、そこそこ普通にプレイ出来よう。しかしこれがプレイを続けていくとそうはいかなくなってくる。処理速度低下の原因は主にモンスターにあるのだが、フロア内に多くのモンスターがいるとその速度は顕著に遅くなっていくのだ。
という事は勿論、それらモンスターを倒し、数を減らしていきさえすれば貴方は次第に快適なプレイ環境を手にする事が出来るだろう。しかし貴方が「ダンジョン型RPG」の何たるかを知っているのなら、ただモンスターを倒す事が根本的な問題の解決に繋がらない事は分かる筈である。そう、ヤドノキの塔内では一定歩数移動する毎に新たなモンスターが出現するのだ。「トルネコ」シリーズとは違い新たにモンスターが湧いて出る時は「ズーン」という効果音が流れるのだが、フロア内モンスターがある程度の数に達して以降は一体増加する度に処理速度が少し落ちる為、その「ズーン」がなくても何処かにモンスターが発生した事が分かるのではと思ってしまう程である。
同一フロア内には一定数以上のモンスターが出現しないので、モンスターが増え続けて大変な事になってしまう事はないのだが、それにしたってその数が上限に達した時の状態はおよそ快適とは言えそうにない。何せ一回の行動に一秒以上の時間が優にかかってしまう事も珍しくないのだ。移動するにも一秒、攻撃するにも一秒である。モンスターと相対している時なんかは一ターンにつき三秒以上だ。こうもなると一回の攻撃ミスにすらイラつきかねない。
ヤドノキの塔には一般モンスターの実に九倍の図体を誇るザコ敵なんかも一部にはいたりするが、こういった環境でプレイを続けているともうそのデカさを目にしただけでそいつを目の敵にしてしまう事を禁じ得なくもなってくる。ボス敵ならまだいい(仮にボス敵が一マス分の大きさだったらそれはそれで不満だろうし)、だがザコ敵の分際で何をお前九マス分の容量を食ってるんだと、そう言いたくなるも無理はない。倒したくもないのに三マス幅の通路を塞ぎやがって。それは処理速度とは全くもって関係ないけど。しかも倒すのが面倒臭いからと引き返そうとしたらタイミング宜しく後ろにも出現して完全に閉じ込めやがって。これは流石に処理速度にも関係するぞ。

ヤドノキの塔、その全貌は80階と長い。それが尚且つ一フロアそのものの攻略にも時間がかかってしまい易いのだから、割と時間に余裕のない人にとっては中々の問題である。短気な人なら有無を言わさずプレイを取り止めてしまう可能性だってないとは言えないし。せめてFF10-2がHDD対応だったなら、まあ私自身の解決には一切ならないとは言え「しゃ〜ね〜な〜」みたいな感じになったんじゃなかろうかと思うんだけど。そこの所はどうなのだろう。開発中にでも、もうちょっと「トルネコ」シリーズへ対しての意識みたいなものはなかったのだろうか。今や「トルネコ」シリーズの製造販売にはエニックスが噛んでるんだからさ、そこはもうちょっと何とかして欲しかったかなあ。

まあね、言ってしまえば、グラフィックが3Dポリゴンの「ラストミッション」と2Dドット絵の「トルネコ」とでの処理速度を単純に比較しちゃいけないんだけどね。その点、「チョコボの不思議なダンジョン」はどうなんだろうか。そっちの方はプレイ経験がないから何も言及出来ないのだけど。


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