第2回整理整頓

第2回整理整頓

第2回にしてこんなみみっちいと言うか、しみったれていると言うか、何とも細かな話をしてしまっていいのかと思わされなくはないけども、でもまあ書くって決めちゃったんだから書くしかない。今回はFF10の「武器や防具がソート出来ない件」についてだぞ。
FF10をプレイした多くの方が知っている事だと思うけど、FF10では装備品のソートが出来ない。その為、多くのプレイヤーが無秩序に並べられた装備品の管理を自分の手で行わなくてはならない。
さらっと言ってはみたけど、これやっぱり相当な事だよなあ。今やソート機能なんていうのはパソコンのアプリケーションソフトなぞを例に考えてみると何にだって付いてるもんだぞ。多分。それが出来ないとはどういう事だ、と。消費アイテムの方はいつものFFよろしく「整理」コマンド一発で並び変わるのにだ。
ただ勿論そこは天下のFFだ。ちょっと勘繰れば、「もしかしたら何らかの意図があっての仕様なのかもしれないぞー」だとかいう説を勝手に立てたりも出来るだろうし、実際そうであった人もいるかもしれない。でもそれは違うんだよなあ。折角一部のFFファンが出来る限りFF側に寄った意見を捻り出したってのに、あろう事かFF10のスタッフ自身が言っちゃったんだよ。「装備のソートが出来ない事が心残りだ」と。「最後の最後まで作ろうとしていた」と。でも「時間的な問題で諦めざるを得なかった」と。
おうおうおう、事態は単純じゃあなさそうだぞ。「時間的な問題」ってアンタそれあまりにも重大な事由じゃないの。しかも加えて「ソート機能を諦めるか、武器の改造システムそのものをカットするか、どちらかしかなかった」とか言ってるし。
これはまさかの展開だねえ。何せあの、あの天下のFFともあろう大作ゲームが、あわや装備品のソートを是が非でも行おうとしたのを理由に発売日を遅らせかねなかったって事だろう？もしそんな事が実際に起きちゃってたらどうなってただろうよ。「発売を遅らせた理由はソート機能が付けられなかったからだったんです」なんてファンの皆様の前で言ってご覧なさいよ。絶対こう言われるよ。「何でそんな所に全力注いでんの」「それする位だったらセリフの表示速度をもうちょっと早くして欲しかったんだけど」「飛空艇の行き先を操作する時に、↓ボタン押しっぱなしじゃカーソルが動いてくれないんだよねぇ～」
まあそう考えれば、そうならなかっただけ、ソート機能を付けないまま発売したその判断はましだったと言えるかもしれないわな。

でもだ、あれば間違いなく便利だった筈であるソート機能が存在しないのは事実なんだぞ。それによって私達は、この上ない苦労を強いられてきたんだ。
例えば私なんかはだな、これから先も有効利用していける装備品と、確実に無用で売却確定の装備品とがごちゃ混ぜになってるのが許せない性分だからさあ、新しい武器が手に入る度に自分の手でそれを並び替えるんだよ。
これがねえ、他のFFシリーズみたく装備品の入手方法がショップでの購入とか、宝箱からの取得とかに殆ど限られてるならまだソートがなくても良かったかもしれないよ？でもFF10は違う。先に驚くべきカミングアウトをした開発スタッフも言ってるけど、FF10では頻繁に魔物が装備品を落とすんだ。勿論その落とした装備品の中には使えるものから使えないものまで様々あるから、几帳面な私としてはいちいち調べなくちゃ気が済まない。つーか一度装備一覧開いてみなきゃどんなアビリティがセットされてるか確認出来ないんだから、少なくともその都度メニュー画面を開かなくちゃいけないんだよ。
そして、その装備品を手元に残すか、或いは売り払うかの判断をした後、しかるべき場所へ移動させる訳だ。勿論ここで売る装備品と売らない装備品とを混同させる様な事はしない。売らない装備品は売らない装備品で固めておくんだけど、そこでもう一工夫だ。実際に溜まってきた無用な装備品を売却する時に、いるものといらないものとの境目を分かり易くする為に、その境界線に「フラタニティ」を置いておくんだよ。「フラタニティ」って売却不可能だろう？だからそれを境目に挟み込んどく事で、売却時の目印になってくれるって寸法だよ。
うがー!! 何かめちゃめちゃA型っぽいじゃないか!! 何でこんな厄介な性格に生まれてきたんだか…っておい、論点がいつの間にかすり替わってしまったじゃないか。そもそもは締め切りまでにソート機能も付けられなかったスタッフが悪いっての。

さてだ、「時間が無かった」だの「どうしても付けておきたかった」だの言ってた位だから、件のソート機能はインターナショナル版で無事実装される事になった。良かったねえ。これでもう心残りは無いでしょう。我々としてもこれからは手作業での面倒臭い並べ替えをする必要がなくなるってんだ。こんなに嬉しい事はない。
でもだぞ、いざそのソート機能を使ってみるとどうだ。こう言っちゃ悪いがちょっと使えたもんじゃないぞ。何でって、必要な装備品と不要な装備品がごちゃ混ぜになっちゃうじゃないか。そんな事しちゃったら不要な装備品を売却する時にいちいちどれがいってどれがいらないかって考えなくちゃならないだろ。しかも下手すると必要だった筈の装備品を売っちゃう羽目になるかもしれないんだぞ。
悪いのはどっちだよ。「フラタニティ」を利用した手作業ソートに慣れ切ってしまった自分の方か？それとも最初からソート機能を実装出来なかった開発スタッフの方か？それは分かんないよなあ。仮に最初からソート機能があったとしたらどうなってたのかなんて分かんないんだから。
で、結局最後には、インターナショナル版でもいちいち手作業で装備品の並べ替えをしたっていう事実だけが残る訳だ。何が嬉しくて、立派なソート機能を無視してるんだよ、自分。
しかもなあ、やけに並び替えるのがスムーズだから余計自己嫌悪に陥るんだよなあ…