まさか「メネΩ」が白日の下にさらされた上で更に隠された謎が存在するとは思ってもみなかったのだが、意外にも話は非常に単純なところから導入される。
簡単な話である。ゆうに飛空挺のスピードを凌駕して「森」「入り江」「空中庭園」間を行き来し、ジタン達を尾行していたメネ。笛を吹けば何処にいても2、3秒で駆けつけるスピードの持ち主モグオ。この二人に勝るとも劣らないスピードを持つ者がまだいたのだ。
今回は早々に名を明かそう。その名をモグタローと言う。
さて、ここではまず「FF9 ULTIMANIA」にてモグタローの事を調べてみる事にしよう。
モグタロー:非常に物知りのモーグリ。強制ATE『おしえて!モグタロー!!』シリーズで、いろいろなことを教えてくれる。
そう、彼はメニュー画面等でセレクトボタンを押すと、即座に現われてはそれについての説明を施してくれる。この事実自体は多くの人が知っている事だろう。だがこの時、ボタンを押してから登場するまでの時間をそのまま鵜呑みにするとしたら、そのスピードはメネやモグオのそれを更に上回っているのではないだろうか?まず私はそう考えたのだ。
しかし、ヘルプメニューに登場するモグタローを指してこういった事を言っていいのか?と思う人はいる事だろう。一応これについて本人は「こう見えても忙しいんだよ」と愚痴を漏らしているので問題無いと思われるが、実際あれをスピードに換算すると人知を逸した数値を記録する事だろうし、実はかくいう私も、ヘルプメニューまで現実に物理的に起こった出来事として判断していいものだろうか?と悩むところではある。勿論物理的でないとなれば、じゃあどういう仕組みになってるのか、という大きな謎が残ってしまう事になってしまうのだが。
「本人が忙しいと言っているのだから、実際にとてつもないスピードで行き来しているのだ」十分それでいいのだけれども、何か決定打に欠ける様な…詳細に考えてこそみなかったものの、それについては何か他の、より現実的な方法が説明出来そうな気がしていたのである。それがあまりにも非現実的な説だっただけに。
ところが、
私はここである事を思い出した。
「そういえば彼はいつもは"ク族の沼"にいるな…」
そう、モグタローは普段は「ク族の沼」にいるのだ……何処の?
FF9には「ク族の沼」と称されている沼は4ヶ所存在する。それぞれ霧の大陸、外側の大陸、忘れ去られた大陸、そしてダゲレオ付近にあるラナール島。
もしかしたら彼はこのいずれにも姿を現していたのではないか?あたかもチョコボ関連三地点を移動するメネの様に…
そうとなれば調べてみるしかない。実際にまずは霧の大陸のク族の沼へ行き、まずそこにモグタローがいる事を確認。
これで後は、残り三ヶ所の内、一ヶ所にだけでも彼の姿を見る事が出来れば、彼に少なくともメネ並みのスピードが備わっている事が証明されるだろう。
結果…そこにはいた。
残りの外側の大陸、忘れ去られた大陸、ラナール島。この三ヶ所のいずれにも彼は姿を現したのだ。
…決定的である。確かに彼はメネ、モグオに続く、第三の存在だったのだ。
「少なからず、モグタローは普通のモーグリとは違う」
この事実があるだけで、先程のヘルプメニューの謎に対する考え方はまるで変わってくるだろう。
「もしかしたら本当に物理的に起こっていた現象なのではないだろうか?」
その前提で考えを進める事も出来るのだ。
メネの場合は「オズマに勝利した事の物的証拠である"こうりゃくぼん"を持っているから」、モグオの場合は「体力面で劣るメネ一人ではオズマには到底勝てなかったであろう事から」並外れた戦闘能力を持っている事を証明する事が出来た。
しかし残念な事にモグタローに関しては、何らかの戦闘に参加したという証拠が存在しない為、このままでは「単なる"異常な速さ"を持つだけで、まるで戦闘向けの個体ではない」可能性を残してしまい、彼がメネやモグオと対等に戦える可能性を秘める存在だと言い切るのは難しいだろう。
が、ヘルプメニューにて登場する彼が、実際にジタン達のいる場所まで瞬時にやって来て説明をしてくれているのであれば、彼のスピードは恐らくメネ・モグオの両者を凌駕するものであると言え、戦闘に関するデータは無くともその事を証明出来れば、彼の可能性は飛躍的に増す事になる筈。
そこで私は、
「ヘルプメニュー参照時には実際にモグタローがやって来て直々に解説してくれる」
この証明に取りかかる事にした。
まずは本人から調書を取ろうという事で、ク族の沼へ出向く事に。そこで彼に「ヘルプについて」尋ねてみた。その時の彼の返答がこれである。
メニュー内に(人差し指で項目を指しているアイコン)がでているときに
SELECTボタンを押してもらえば
いつでも助けに行くぜ!
助けをよんだあとは、
もう一度SELECTボタンを押せば
オイラはすぐに退散する
こう見えてもけっこう
忙しいんだよ……
この通り、「助けに行く」どころか「退散する」とまで言っているのだ。
この言葉に、既に証明された「異常」を加味すれば、もうそれだけで十分な気はするのだが、何か他に証拠めいたものはないだろうか、という事で、次に彼から実際に様々なものについて解説・レクチャーを受けてみる事に。
実際に彼が現場に出向いている事を証明するには、絶対に他には無い一点物、つまり目で見たりしてないと説明出来ない様な物の解説をさせる事が一番だと考えた私は、数々の「だいじなもの」の解説を聞いてみた。
しかしそれら「だいじなもの」の殆ど、例えば「銀のペンダント」や「追憶のイヤリング」等、4つに分かれた宝珠の1つ等は確かに一点物なのだが、それらに関しても、「もしかしたらモグタローは(例えばメイチェン並み、或いはそれ以上の)博識なのかもしれない」という仮説が引っ掛かり、目で見ないと解説出来ないと明言するには実は不十分なのである。
しかし、中には疑問を残す物もあった。
まずは「おしばいのチケット」。これに対するモグタローの解説は「ビビの大事なもの。とっても高そうなチケット…。」である。
このチケットが偽者である事には触れてないが、問題はそこではない。重要なのは「おしばいのチケット」という情報だけで「高そう」だと言っている点である。これは現場に出向いている事の証拠の一つと言えるのではないだろうか。
「でももしかしたらモグオは『おしばい=高貴=高そう』と思って言ったのかもしれない」とか「ガイアに存在する『おしばいのチケット』って往々にして高いんじゃないの?」と言うそこの貴方。「おいおいそれは屁理屈じゃないのかい」と言いたくもなるものの、そんな貴方には続いてこちら。
「アスリート・クイーン:アレクサンドリアで入手したレアアイテム。がんばれ、カバオくん!目指せ、アレクサンドリアの星!」
万が一「おしばい」という言葉がモグタローにとっては「高そう」という表現に繋がったとしても、何故「アスリート・クイーン」が「カバオ」に繋がったのか、というのは説明不能な筈だ。つまりこれは、彼が現場にやって来て、そこにあるメッセージを読み(○ボタンを押すと見られる言葉の事)、「カバオくん」にエールを贈ったという事を示しているのである。
すると次にこんな声が聞こえてきた。「もしかしたらモグタローはビビとカバオがしのぎを削ったあの戦いを見ていたのかもしれない。で、ビビが『アスリート・クイーン』を貰うシーンを実際に見たんだ、だから知っているんだ」
ところが、とにかく目ざとい私は更にこんなものを見付けてしまったのだ。
突然だが、謎解きとは楽しいものである、と今回の事で再認識する事となった。何か証拠は無いか、何か証拠は無いかと、飽くなき探究心で、尽きない欲望で、「絶対に尻尾をつかんでやるぞ」という固い決意で、まるで「私の重箱の隅はつつき終わったからアンタの重箱つつかせてよ」と言っているかの様な図々しさで、あたかもただ嫁いびりをしたいが為に天井裏にまで上がっては「あらこんな所にホコリが」と言ってのける理不尽な姑の様に調査していた私は、ある一つの事に気付いたのだった。
画面は「アイテム」欄から戻って、メニュー画面へと移る。
そこで「そうび」コマンドを選択する。普通ならばここでは、次に「誰の装備欄を見るのか」を選ぶ訳だが、事態はここで発生したのだ。
実際に見てみると分かる事だが、わざわざ装備変更画面へ移動しなくても、「今何を装備しているのか」だけであれば、メニュー画面で表示されるヘルプメニューで参照出来るのである。
これが一体何を意味しているのか。そう、流石に現場に来ない限りは、モグタローにこの人物が「今現在」何を装備しているのかを判断する事なんて出来ない筈。しかもその場で装備を変更する等して改められた何らかの事項にもリアルタイムで即座に対応してヘルプメニュー解説に反映させているではないか。
ここまでくればもう疑う余地は無いのではないだろうか。実際にモグタローは誰かからSELECTボタンで呼び出される度に現場へ出向いて解説していたのだ、という事を。
これより、モグタローが、メネやモグオを遥かに上回りかねない異常な素早さを兼ね備えているという事が証明された事になる。
…が、反対派はまだ食い下がるのであった。「単に超スピードで移動している訳じゃなくて、『瞬間移動』という特殊能力の類だとしたら?」
確かに…あの瞬時さを思えばそうである方が説明としては納得いくだろうか…という事で考えてみると…
FF9にそんな特殊能力を持つ存在がいたかどうかは定かじゃないが、確かガーランドが似た様な事をしていた。
それが長距離間で出来るとするなら、「戦闘はまるっきり駄目だけど移動だけは空間の概念を超越出来るから瞬時に何処へでも解説に行ける」かもしれない、確かに。
ただし!!この場合その全く逆の事も言える事となるだろう。その名の通り滅多にお目にかかれないであろう「特殊」な能力なのだから、それが彼をこれ以上ない程の戦闘向きの固体へとさせた可能性もある。決して「瞬間移動説」が正しかったからといって、彼の脅威が損なわれる事は微塵もないのだ!!!!
…ようやく反対派の「モグタローは断じて普通じゃなくなんかありませんよね同盟」が尻尾を巻いて逃げていったので話を続けよう。
…大体反対派自ら「瞬間移動」という「明らかに普通のモーグリじゃねーじゃん」な説を持ち出しちゃあ本末転倒もいいところじゃないか…
とは言え、瞬間移動というのは的を射ているかもしれない。その場合彼が「驚異的な素早さ」を持っているかどうかは怪しくなるものの、繰り返す事になるが「瞬間移動」という能力を持っている時点で普通じゃないので、このまま話を続ける。
さて、ようやく無事「モグタローが普通のモーグリでない」事が証明されたのだが、この事が証明された事で、新たな謎が幾つか発生する事になるのである。
1.まだあるヘルプメニューの謎
「異常な素早さ(もしくは瞬間移動)を兼ね備えているという事が証明された」とは言うものの、これでヘルプメニューの謎が完全に解決し切った訳では到底ないのだ。
ヘルプメニューに残された最大の謎。それは、いつどのタイミングで呼んだとしても、いつも全く遅れる事無く現場へ到着出来るという点であろう。
彼がジタン達だけをサポートしている訳ではない事は、ジタン達が彼と出会う前の時点であってもヘルプで現われる事や、初対面の時点で既に「こう見えても忙しい」と発言している事から明らかな事。
恐らく彼は、ガイアに生きるあらゆる人々のヘルプを担っているのだろう。それは冒険者に限らずとも、例えばショップに買い物に来た客が売っているアイテムや武器の説明を求めていた場合とかもやって来る訳だ。
となると、ある地点から呼ばれたので行ったはいいが、そこでの用事が終わらない内に別の場所からまたお呼びがかかったりとかいう事が多々ある筈なのだ。
ジタン達がヘルプを必要としていないこの瞬間も、彼は何処かで誰かに何かを解説している。それなのにジタン達が呼んだら遅れるでもなくここに現われるのは何故だろうか?
又、彼を呼んだ後、何時間となくここに留まらせていたとしても、彼が一瞬たりとも席を外す様子を見せないのは何故だろうか?
元より、そんな無謀な役目を何故モグタローが一手に担っているのか?
ただ、その点については思い出して戴きたい。この役目を全う出来るのはキミだけだ、と言われて泣く泣く無謀な仕事を押し付けられた者が過去にいた事を。
そう、ワールドマップでのセーブを担当しているモグオである。彼が何故この辛いであろう仕事を受け持っているのか、それはひとえに「唯一の適任だったから」に他ならない。
もしかしたらモグタローは、世界各地からのヘルプの嵐を一手に引き受けるという無理難題をこなす事の出来る唯一の逸材だったのではないだろうか?スピードだけでなく尋常でない体力が伴っていたからこそ初めてそれを可能にしたモグオ同様、彼にもスピード以外の類稀なる能力を持っているという事なのではないだろうか?
つまりその類稀なる能力、というのが瞬間移動という事になるのか?
いや、それは違う。確かに瞬間移動であれば、ガイアの真裏までも瞬時に移動する事が出来得るだろうが、重複してしまったヘルプ依頼に対処する事は出来ないのだから。
恐らく彼には瞬間移動とは全く別の特殊能力があるのであろう。それが何か、を考えるのがまず一つポイントとなる。
そしてもう一つ、その仕事を嫌々やっているのか、自ら志願してやっているのか、という点も重要となる。
2.それでもまだあるヘルプメニューの謎
実はヘルプメニューにはもう一つ謎が存在する。
その知識は誰もが驚く程に、実に多岐にわたっているモグタローだが、中には「何故こんな事まで?」という様な事を知っている場合もあるのだ。
例えば、先にモグタローがヘルプ依頼の際には現場まで駆けつけて解説している事を証明する為に引き合いに出した「おしばいのチケット」だが、何故モグタローはこのチケットがビビの物だと分かったのだろうか。
ゲーム開始直後のビビ操作時に調べたり、その当時に調べた経験があるのなら理解も及ぶものの、そうでない場合、彼がどうしてその事を知っているのか、という謎が発生する事になりはしないだろうか。
また、バトル中のヘルプメニューにも不思議な点がある。あのヘルプメニューでは、メニュー画面でのヘルプとは違って、解説枠の左上にモーグリの画像が表示されないが、ヘルプを表示させる時にお馴染みのモーグリの鳴き声がするので、メニュー画面でのヘルプと同様、モグタローが実際に現場まで出向いていると考えていいであろう。
弱きはゴブリンから、強きはオズマや何とクジャや永遠の闇を相手とした生死を賭すバトルの真っ只中にも勇敢にやって来るというこの事実は、彼の実力を暗に示唆しているとも取れるのだが、ここで重要なのはそこではない。永遠の闇と戦ったあの地まで遠路遥々どうやってやって来たのか、という点も不思議ではあるが、それも今は問題としない(後々説明可能)。
謎は、あるキャラクターがトランスした時に起こるのである。トランスした瞬間、そのキャラクターのコマンドの一つがトランス専用コマンドに変化したのだが、それと同時に、モグタローのヘルプ解説もトランス専用コマンド用のものに変化したのだ。
この内で、重要なのは何処だろうか?トランスした瞬間、一瞬すらタイミングをズラす事なく解説が切り替わった点か?いや、確かにその事実は物凄いと言えるが、トランスというのは、ある時突然勃発するものではなくて、ある程度タイミングが予測出来るものなので(少なくとも敵から攻撃されたタイミングに限られる)、それに彼の異常なスピードを加味すれば、実は不可能な話ではないのではないだろうか。
それよりも問題なのは、「何故トランス専用の解説が存在しているのか」という点である。
モグタローの言葉によれば、トランス状態になれるのは『エラバレシモノ』だけの筈だ。事実、ブランクやマーカスはどれだけ敵に痛めつけられてもトランス状態になる事はない。それどころか、あの「泣く子も黙る100人斬りの冷血女ベアトリクス」ですらトランス状態に至る事はないのだ。あのウダツの上がらないスタイナーと、かのベアトリクスとの間に『エラバレシモノ』とそうでないモノとの境界線を挟むというその決定的な違いとは何だったのだろうか?という点にとてつもない興味が湧いてはくるものの、取り敢えずそれは置いておくとして…
大事なのは、どうやら『エラバレシモノ』の条件を満たした人というのが、非常に限られるらしい事である。当然ながら詳しい条件は分からないので一概には言えないが、恐らくガイア全体を見ても、そんなに数を数えないのではないだろうか。
そして、トランス状態専用コマンド(あるいはトランス状態になる事によって起きるコマンド面に限らない変化)というのは、そのキャラクターが通常持っている「そのキャラクター特有のコマンド」がより拡張されたものとなる事が殆どである。
余談:「『秘技』→『裏技』」のジタンだけその傾向に当てはまってない様に見えるが、それは彼がテラの人間、つまり基本的にトランス能力を持たない種族である事が関係しているのではないだろうか。
トランス能力を持っているという事はつまり、その生命体に豊かな感情が備わっているという事になる訳だが(FF9世界設定より)、その「豊かな感情」が人工的に創り出されたものである場合、トランス状態にも何らかの普通とは違う影響が表われるのではないだろうか。
人工的に創られた「感情」という点では、クジャにも全く同じ事が言えるだろう。クジャとトランス・クジャの双方では、一見各種能力値が上昇していて「普通」の条件をクリアしているかの様に見えるのだが、実は地味ながら、両者共通の攻撃である「フレアスター」のダメージ量が、通常状態では「対象のLv×40」だったのがトランスすると「対象のLv×35」に減少するのである。ジタンとは違ってマイナス面での「何らかの普通とは違う影響」ではあるが、通常のトランスとは全く違う種の影響、という点では共通する点だろう。
さて、
「トランス能力を備えている人物は非常に少ない」
「トランス状態専用コマンドは、そのキャラクター特有のコマンドが拡張されたもの」
この二つの事から何が言えるのかというと「トランス状態専用コマンドの殆どは、その人物特有の技である」という事だ。
つまり、その人物がトランス状態になったのが初めての事だった場合、「モグタローにはその時点で、その人物のトランス状態専用コマンドに関する知識、情報が全く無い」という事が言えるのだ。
もしかしたら、黒魔法や白魔法等、一部地域(もしくは種族)内では一般的と言えるかもしれないこれらのコマンドを得意としている「トランス可」の人物が複数いるとすれば、それぞれのトランス状態専用コマンドは「W黒魔法」「W白魔法」で一致しているかもしれないので、ビビやエーコが初めてトランス状態になった時にモグタローが上記二つのコマンドに関する知識があったとしてもおかしくはない。
しかし「裏技」に関してはどうだろうか。たかが盗賊風情にあの強力な技を使えるのか、という疑問に加えて、先程の余談から導き出されるジタンの特別性を考えれば、「裏技」を使えるのはこのガイアでジタンだけだと考えてもいいのではないかと思われる。
つまり、ようやく「バトル中の不思議な点」の部分に入るが、ジタンが初めてトランス状態になった時点で、その瞬間から「裏技」の解説が用意されているという事が謎なのである。
要約すると、「何故知る筈の無い事まで知っているのか」という事となる。
ちなみにまた余談だが…
(前略)
あっ! それと……
トランスには誰でも
なれるってわけじゃない
うーん、なんて言えばいいのかな?
『エラバレシモノ』のみがトランスに
なれる……って感じかな?
じつはオイラも話に聞いただけで、
実際にはまだ見たことはないんだ……
これは、ク族の沼へ行って彼に「トランス」の事について聞いた時の解説の最後の部分である。
これによると彼は、今まで「トランス」を一度も見た事が無いと言っているが、この発言はまるっきりの嘘になり得る事にどれだけの人が気付いただろうか。
どういう事かと言えば、上記の話を初めて聞けるのが、ジタン達が魔の森を脱出した直後の強制ATE「おしえて!モグタロー!!」であるのに対し、トランスの方は、魔の森で戦う事となるプリゾンケージ戦が初出なのである。
彼が逐一現場に駆けつけてヘルプを施してくれているという事は、当のプリゾンケージ戦でのトランスの瞬間にもしも、トランスの事に限らずともヘルプを参照していたのであれば、彼の言葉は完全な嘘となってしまうのだ。
彼は何故こんな一見何でもない様な事を隠したのだろうか…何か秘密が?
3.モグタローといつも一緒にいるモグジローは?
ク族の沼で常にモグタローと共にいる彼の弟、モグジロー。常日頃「あんちゃんはホントに物知りだクポ〜!」と言ってるので、兄とは違って彼の知識というのは高々一般人程度かと思わる。実際には、その言葉から想像するに、やや幼いレベルだとは思われるが。
そのモグジローは普通じゃないのかどうなのか?確かに彼もモグタローと同様、各地のク族の沼を飛空挺を超過するスピードで移動しているが、それはただ単にモグタローが担いで移動しているだけかもしくは、モグタローが担いで瞬間移動しているだけの事かもしれない。
そこをどう考えるのか。
4.モグタローはメネの敵か味方か?
ご存知の通りモグタローは、「メネΩ」の終盤で、人類がメネに勝ち得る可能性の一つとして、実力不明瞭なデブチョコボにメネの不審な行動を知らせていたのでは、という部分に登場していた。
あれを見る限りではモグタローは我々人間側に付いているのだと思われていたのだが、それはモグタローがただの普通のモーグリであるという事が前提での話である。そうでなくなった今、ここは改めて色々と考えてみる必要が出て来る事となった。
実のところ、これが一番の問題となってくるのだ。どういう事かというと、「メネΩ」までの妄想の数々というのは、当然ながら全てモグタローが普通のモーグリだという事を前提として語られている訳だ。
ところが、モグタローが普通ではないとなった場合、最悪「メネΩ」までの妄想の大半が一気に覆される可能性が出て来たのである。
この問題に関してはかなり悩んだ所である。何しろ中々先が見えてこない、と言っても、眼前が闇なのではなくて、可能性としてあり得る様々な説が次々と頭の中に展開されてしまうのだ。
その中には、「もしかしてこれは的を射ているかもしれない」と、自分でも震えがくる様な素晴らしい名案、妙案もあり、一方でちょっと想像だけが飛躍し過ぎているだろうか…というのもあり、どこまでをはっきりと断言し切っていいのか迷ってしまうのである。これからその内の大半は書く事になるのだが。
さて、これからこれらの謎を解決する為に立てた仮説、そしてその仮説がどれだけ信憑性あるものなのかという事を示す事等を書いていこうと思う。
が、始めに断っておこう。恐らく、「メネΩ」にすらその一端も登場しなかった新説が目白押しとなるので、あまり「メネΩ」までの情報を過信しない方がいいかと思われる。
また、読んでいて「ここは明らかに矛盾している」という点があったらご指摘戴きたい。
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