第3回 袋の鼠

程無くして城へと着いた四人は、早速王様に謁見した。
最愛の娘をさらわれてしまい失意の只中にあるコーネリア王はそして、目の前に現れた光の戦士達を見て言うのだった。

光の戦士達……予言者ルカーンの
言った通りだ。わしの頼みを聞いてくれ。
王女がガーランドにさらわれたのだ……
頼む 助け出してくれ!


一目会うなり形振り構わず王女の救出を頼み込むコーネリア王。ともすればそれは、ほんの少し身勝手である様にも映るかもしれない。
だがしかし四人は、心底娘を案じ、そして切々とその救出を訴え掛けるコーネリア王にいたく感銘を受けたに違いない。絶対に助け出さなければと心に誓ったに違いない。何故ならば、コーネリア王はどこぞの町の噴水とは違って、一見汚い旅人に見えるらしい彼等を見た目だけで判断してしまう様なお人ではなかったのだから。
しっかりと自分達の内面を見て話をしてくれる。身形だけで切り捨てようとしないまこと正義の人間。ついさっき己の顔を「まあ! 汚い!」と罵られ幾分か荒んでいたであろう彼等は、実は王女救出を前にして、王も気付かぬ内に救いを得ていたのではあるまいか。

何としてでも助け出そう。そうと決めた四人は次に城内にて、コーネリア王女誘拐殺人事件についての聞き込み調査を開始した。
コーネリア王妃はこう言う。

私は王妃のジェーン。どうか
王女セーラを助け出して下さい!


承りました。我等の命に代えてもガーランドの手から取り戻しましょう。
意味も無く自分が「王妃」である事を強調するかの様な自己紹介が鼻に付かんじゃないが。

一人の侍従はこう言う。

ガーランドは昔良いナイトだったが……
あんな事さえなければ……


「あんな事」
一体何があったと言うのだろう。
ま、これからするとガーランドはこの国の人間だった様だし、察するに王女様に対しては何か並々ならぬ思いがあったのだろう。それが、王女自身の考えか、もしくは違い過ぎる身分がそうさせたか、とにかく自分の意思に反する形で引き裂かれたんだな。で、強硬手段に打って出たと。若いね。青いね。

ある透明人間はこう言う。

王女様が探していたわよ!

これ程訳の分からない台詞もそうはなさそうなもんだが。さては意味不明な事を言って捜査を攪乱させるつもりか。
つーか、何でこいつは身体から何から見えないんだろう……ハッ、まさか彼女、実は王女様から「○○に私が探していたと伝えておいてくれ」と頼まれていて、それをその誰かに伝えにいく途中この一見何も無さそうな場所で突然不幸の死を遂げ、以来成仏も出来ないまま誰にも知られず「王女様が探していた」と訴え続けている悲劇の怨霊なのでは…
だとすれば、彼女の哀しみを癒し、彼女の嘆きを取り除く為にも、まずは王女様を無事に城へ連れ戻さなくては。待っててくれよ、成仏させてあげるから。

そして、とある兵士はこう言った。

王女をさらったガーランドは城の北
にあるカオスの神殿に逃げ込んだとの
情報が入った……


そうかそうか、カオスの神殿に。でもさ、この島ってコーネリア城とコーネリアの町の他にはカオスの神殿しかないんだからさ、相手さんが神殿に逃げ込むってのは殆ど予測出来る事だと思うんだけどなこの馬鹿。

言おうとしたが、止めといた。


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