第7回 そして探求の旅は始まった

色々あったが、コーネリア王の架けてくれた橋を渡り、大陸への一歩を踏み出す一行。

そして……探求の旅は
始まった
4人の若者は光の
戦士として自らに
与えられた使命の大きさと
待ち受ける波乱の運命に
めまいさえ覚えるのだった
その意味さえ知らず
4人の若者が持つ
4つのクリスタル……
遥か昔その中には
輝きが宿っていたという。
さあ旅立つのだ
この世界を覆う
暗黒を振り払い
平和の光を再び
この地に……

橋を渡り終えた彼等はこの先、幾つもの見知らぬ街を訪れ、多くの人と出会い、別れるだろう。そしてこれまでには見もしなかった、より凶悪なモンスター達とも。
ガーランドみたいな奴とは明らかに比べ物にならない強敵達を前に、果たして彼等はこの世界の平和を取り戻す事が出来るのだろうか。冒険は、まだ始まったばかりに過ぎないのだ。


丁度その頃――コーネリア城は玉座の間。
相も変わらず光の戦士達の安否を気遣って止まないセーラを尻目に、コーネリア王は一人考えていた。
大陸へ通じる橋を架けて、彼等がそこを渡ったのはいいのだが…では、橋を架けるまで完全な島国だったここコーネリアへ一体彼等はどうやってやって来たと言うのだ。セーラがさらわれていた事と、ルカーンの予言が見事的中した事とで頭が一杯で全く不思議にも思わなかったが、よくよく考えてもみれば何処かから湧いて出て来たとしか思えない彼等はよっぽど怪しい人間達ではなかったか。
コーネリア王の中で膨れ上がる疑念。しかしセーラを助け出してくれたのが彼等なのだという確かな事実が王を困惑させる。一体どういう事だ。わしは彼等を信じていいのだろうか。まさか後々今回の件を引き合いに出して金品をせびってくるんじゃあるまいな。もしかしたらルカーンの奴とグルだったのかもしれんぞ。いやしかし、もしそうだったとしたら城を発つ前にでもその旨要求してくる筈であろうし…
ルカーンに問い質そうにも、彼は「三日月を目指す」とか言ってコーネリアを後にしている為にそれは叶わない。ただ今思えばこの「三日月を目指す」という言葉そのものですら言い様のない怪しさを彷彿とさせる気すらしてしまう。
ならば、次に光の戦士達と相見えたその時に直接問うてみるべきか。しかしあのガーランドをいとも容易く退けた剛勇達である。さしたる根拠もない疑惑を向けて敵対されでもしようものならこの国はお終いだ。

世の中知らない方が良い事もあろうか。結局王は、それから幾度戦士達と対峙しようとその疑問を口に出せないのだった。


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