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05/12/31(土) 第331回 愛

既に半月以上も経ってしまったけれど、もう毎年恒例の行事となっている財団法人日本漢字能力検定協会決定の「今年の漢字」ですが、今年は「愛」の字が選ばれたそうだ。
正直言ってこれは意外だった。個人的に別の漢字を予想していた訳でもないのだが、何かと物騒な事件の相次ぐこの世の中、この「今年の漢字」だけをとって見ても暗い感じ漂う字が大半を占めていたその中で、「愛」なんていう平和の体現者の様な字が選出されるだなんて、と。
選出理由は幾つかあったけど、その中でも一番多かったのは「愛・地球博」だったんじゃなかろうか。もうタイトル自体にキーワードそのものとして「愛」っつー字が入っちゃってるし。あの万博の名称が「愛・地球博」に決定したその瞬間から、今年2005年の漢字は「愛」でほぼ決まりだったと言っても過言じゃない様な。
まあ、とは言っても、「愛・地球博」だけじゃ選出理由としてはまだ弱いから、それに紀宮様ご成婚が決め手になったのかな。ただ一方で、「各界の『アイちゃん』に大きな期待も抱いた」は如何か。どうも他の理由と比較すると後付け感が否めない様な気が。でも「愛」を選んだ応募者の中には「愛・地球博」と「アイちゃん」の両方を理由に挙げてる人もちゃんといるんだから凄い、何が凄いのか分かんないけど。
「『愛』が足りない事件が多発」ってのもあったけど、どうだろう、個人的には「屈折した『愛』のうんたらかんたら事件」の方が印象に残ってるぞ。うーん、まあそれはそれで。

さて、今年じっくりとこの「今年の漢字」というものを振り返ってみて思った。今年上位に入ってきた漢字の中に、1995年選出の「震」という漢字が姿を見せているのだが、もしこれまでに選ばれた事のある漢字が第一位となった場合はどうなるのだろうかと。
意図してこれまで選ばれた漢字を避ける人もまあいるだろうけど、世の中そんな人ばかりじゃない事は今回の「震」で証明された様なものだし、これから何年も続けていくのであればいつかそういう事態が訪れるのは確実というもの。そうなった時はどうするんだろうね。
今回「震」が1502票、第六位まで上り詰めたって事はだ、関東大震災が起こった年なんてのは危ないぞ。大体1995年に「震」が選ばれた最大の理由が阪神大震災だった訳だから。
万が一、「震」はもう選ばれた事があるから止めといて、じゃあ「災」にしようと考える人が多数出て来たとしてもそうは問屋がおろさない。何となれば「災」も2004年に選ばれてしまっているからだ。
ムムム…仕方がない…困り果てた人々は苦肉の策としてこの字に投票するのだった。



おい、それじゃ一体どんな年だったか分かんねーだろ。



06/01/01(日) 第332回 2006年1月1日午前8時59分60秒その瞬間

つい最近ここでも取り上げた事のある通り、今日は「閏秒」が実施される日であった。
2006年1月1日、午前8時59分59秒と午前9時00分00秒との間に挿入される午前8時59分60秒。七年振りに来る特別な一秒間である。
その日を迎えるに際し、私はふとこんな事を気にかけた。「その瞬間の時報はどうなっているのだろう?」
ここで言う「時報」とは、電話番号117で聞ける例のやつの事を指す。テレビ等の時報だって気になると言えば気になるが、何しろ相手が私の前に姿を現すのはたった一秒間だ。そんな中で、秒単位の値が正確に分からない類の時報に少なくとも今日の所は用はないというものだ。
さて、117に電話をかけるといつ何時だって厳密に時を刻み続けるその音を聞く事が出来るが、ではこの時報は果たして今日の様な閏秒にすら対応しているものなのだろうか? うーん、分からない。気になるなあ、気になるなあったら気になるなあ。
そんな訳で実際に調べようと思い立った。基本的に休みの日は10時位にはならないと起きないこの私が、8時には起きてその時を待とうじゃないかと、そう決意したのだ。

そして当日の朝、即ち今朝だ。目が覚めて時計を見ると8時50分。おお、危ねぇ。
ちょっとでも気を抜くと二度寝してしまうであろう危機的状況の中、しかし寒かったので布団から出る事もないまま時を待った私。
そして10分後、その時は来た。

ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、
(午前、8時、59分、50秒を、お知らせします)

ピッ、ピッ、ピッ、

ポーン(8:59:50)

ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、
(午前、9時、ちょうどを、お知らせします)

ポッ、ポッ、ポッ、

ポーン(9:00:00)

これが事の全貌である。とどのつまり、特別何かしらの処理が行われているという訳ではなかった、様に思えた。
しかし疑問は残る。一応同時に確認していたテレビ(NHK)の方では閏秒の対処と思しきものが見て取れた気がするのだが、9時2、3分頃にはテレビの時報と117の時報との時刻がピタリ一致していたのだ。いつ合ったのだろう。そして気付く、そう言えば117の時報が9時を伝えた瞬間と、テレビの時報が9:00になった瞬間が同時だったかどうかの確認までには至っていなかったのだ。音の方に集中するあまりに。

どうやらこれは次回閏秒実施日までの課題だなあ。さて次はいつだ? 来年か? 再来年か?
…いやいや、七年後かもな。



06/01/03(火) 第333回 「Xbox360」驚天動地の事実とは

Xbox360が発売されてしばらく、どうも状況は厳しいらしく、聞く話はと言えば何かとお寒い話ばかりであります。
さて私はと言えばまだまだ購入に踏み切るまでの予定はないのですが、しかし先日坂口博信氏総指揮の「ブルードラゴン」CMをテレビで見てからというもの、どうしても欲しさが増すのを抑えられなくなっております。日本ではどうだったか知らないけど海外では不具合がどうだとかいう話があったから、しばらくは手を出したくない所ではあるんだけど…

そんな中あるテレビを見ていた時、この「Xbox360」に関する衝撃の事実が明らかになりました。

ナレーション「コノバングミハ、エックスボックスサンロクマルガテイキョウシマス」

え!! 「Xbox360」って「えっくすぼっくすさんびゃくろくじゅう」って読むんじゃなかったの!?
こうして私は、また一つ必要もない知識を増やしつつ、折角良い感じだった今回のタイトルの語呂がやや崩れたというどーでもいー事に残念がりつつ、明日を生きていくのだった。



06/01/04(水) 第334回 新コンテンツを立ち上げる時

ここ最近で何度か言っている事ではある。でも中々行動に移せていないから定期的に自分に言い聞かせないといけなかったりするので今日はまたこの話。
もう数ヶ月は前から構想を練っているのだけれど、まだ一つも始まっていない。何故か。「忙しくて時間がない」と再三言ってはいるが、こんなにも進まないとなるとその原因が「時間のなさ」だの「余裕のなさ」だのいうものだけでない事はもう明らかである。

さて、今日言いたいのは「何故俺はこんなにダメな奴なのか」とかいう甚だ自分が落ち込むばかりで得もしない話ではなくて、実際新コンテンツを始める際に何から作っていこうかという事である。
例えば私はFF関連のサイトをもってる訳だからFFで説明すれば、まずあるテーマを設定して、それについてシリーズ別に何か作ろうと思った時に、まずどの作品から取り掛かればいいのかで悩むのだ。具体的に言うと、個人的にはA型人間だからなのかFF1から順に作っていきたいと思っているのだが、しかし閲覧される方々のニーズ的な事を考えると、FF1よりはFF5とか、FF7とかを優先させた方がいいんじゃなかろうか、とまあそういう事なのである。
その意味で、それぞれの文章が単発な「妄想」「愚痴」「俺的事典」なんていうのは私にとってとてもやり易いものであると言える。ただその一方で、例えば小説の様な(現時点で小説を書くつもり、構想、自信、実力、勇気、その他諸々は全くないけれど)、ある一まとまりの文章を書くのに半年仕事、下手したら一年仕事になりそうな規模のコンテンツはどうも私の様な人間には向いていないんじゃなかろうか。
そして考えるのだ。こと慎重な私の事だから、本当に向いていないのか簡単にでも確かめるべく、実際に始めたとしたら一体どういう事を書いていくのか、しばらくそれをシミュレートするのだ。
…で、その結果その「しばらく」に当たる分だけ新コンテンツの開始がまた遅れるという訳である。今までそれを何度繰り返してきたんだっての。本当、つくづく思うけど自分ってダメな奴だよなあ…

あれ、結局今日その話だったのか。



06/01/05(木) 第335回 何か知らんけど物っ凄い達成感

インターネットを利用する様になってまだ三年少々といった所だが、これまでに一度だけやってしまった事がある。コンピューターウイルス感染、である。
当時はインターネットの事なんて殆ど知らず、当然ウイルスについての知識にも乏しい青二才であった。家族で使っていたパソコンだっただけあり、果たして誰が原因でそうなってしまったのかもよく分からなかったのだが、それ以前に感染してもしばらくはそうである事にすら気付かなかったのだ。まあそういうタイプのウイルスだったからだとは思うのだけれど、しかし当初は当然の様に「パソコンの不具合」だとばかり思っていたのである。
しかしあまりに突然の事で、そして例え不具合であるとしても利用に著しく不便が生じる為に、一体何が宜しくないのかと少し調べてみた。そしたらウイルスだって言うじゃないの。
そういった知識に全然明るくないkemkam少年は慌てたね。下手したらパソコン毎おしゃかになっちゃうんじゃなかろうかと。あの時の不安感ったらなかったね。
一刻も早く対策しなければ、そう思った私はとにかくそのウイルスに関する情報を調べて調べて調べまくった。その結果、運良くもフリーで配布されている当該ウイルスの駆除ソフトを発見したのであった。
そのソフトを発見した時の、そしてそのソフトを使ってウイルスを駆除した時の、そしてその瞬間からこれまで私と私の家族とを悩ませ続けていた「不具合」が綺麗さっぱりなくなった事が確認出来た時の、その達成感と言ったらこれ、ねえ、オイ。「俺はこいつに勝ったんだなあ」っていうね。あの日、しばらくテンションが下がらなかった事を私は覚えている。

さて本日、ウイルスではないが我がパソコンに不具合が発生した。立場上コンピュータープログラムを組む事が多いのだが、今日になって現在製作中のとあるプログラムを実行させようとしたら、エラーが返ってきたのである。そのプログラムのみならず、あのプログラムも、そのプログラムも、とにかくもうありとあらゆるプログラム全てが。
近日中にはそれらが必要な状況がやって来る。こりゃどうにかしないといかん。私は原因究明の為に奔走した、走ってないけど。
一昨日までは正常だったんだから、原因は分かってるんだ。あれだろ、昨日インストールしたあのソフトだろ。あのソフトの奴が私の知らない所でシステムの一部に変更を加えたに違いないんだ。その事は分かっていたんだけど、結局元の状態に修復させるまでにたっぷり二時間程かかってしまった。
犯人はその某ソフトで間違いなかった。そのソフトの奴がシステムの環境変数を一部書き換えていやがったのだ。
いやしかし、原因を突き止めて当該箇所を修正して結果無事にプログラムが実行された時の、恐らくパソコン入門者であればいつまで経っても解決出来なかったであろう類の問題が自分一人の力で何とかなったらしい時の、また一歩俺はレベルアップしたんじゃないかななんてしみじみとああしみじみとしみじみと実感出来た時の、その達成感と言ったらこれ、ねえ、オイ、キミ、どうお考えかね、キミ、うん?

これを書いている今、私のテンションはまだちょっと高い。



06/01/07(土) 第336回 意味:わざととぼけた物言いをする事

A「あ〜、ど忘れしちゃった」

B「何を?」

A「あ、いい所に来た。前にお前言ってたじゃん。二日起きて二日寝る世界最長寿のおばあちゃんの話」

B「そうだったっけ?」

A「おお。で、そのおばあちゃんの名前って何だったっけ?」

B「は? いやいや、俺そんな話した覚えないんだけど」

A「そんな筈ねーって、俺確かにお前から聞いた筈だもん」

B「そんな事言われたってさ、二日起きて二日寝るおばあちゃんなんて知らないって」

A「ホントかよ? 何か今『面倒臭い事聞くなよ』的な顔してる風に見えるけど」

B「気のせい気のせい」

A「あ〜、何だったっけな〜、『か』なんとかだったと思うんだけどな〜」

B「もしかしたら『かまととばあちゃん』じゃねえ?」

A「『かまとと』はお前の事だろ」



06/01/08(日) 第337回 「337」

ふと気が付いたら今日は「雑文」の第337回でしたので、今日は三三七拍子をやろうと思います。

では行きますよ〜。

せ〜のっ!!

ピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッヒッビッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッ七ッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッジッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピツピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッミシシッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッ

ピ〜ッ!!

三三七(さんびゃくさんじゅうなな)拍子、終わり!!



06/01/09(月) 第338回 奇跡の引き

既に三週間前の話になるが、実姉の結婚披露宴に出席した時、こんな一幕があった。
これから新婦がお色直しに入ろうかという段になっての事だ。何か、新郎新婦がやにわに箱の様なものを持ち出して、それぞれのテーブルを回り始めた。
何かと思ったら、こういう事である。その箱は四区画に分けられており、そのそれぞれに別々の色が付けられている。披露宴出席者は、新婦が次にどの色のドレスを着て登場するかを予想して、これだと思う色に投票する、という寸法だ。
その四種の色が何だったか、正確にはもう忘れてしまったのだが、とにかく私は割と真面目に考えて、結果「水色」に投票する事にしたのだった。
そしてしばらく、お色直しの終わった新婦が登場。その時身にまとっていたドレスは私の予想通り水色のものであった。流石に実の弟である訳だから、その日の出席者の中で言えばかなり姉をよく知っている方の人間である。そこはまあ「やっぱりな」と言った所だったろうか。
ただ、事態はすぐに一変する。披露宴司会者の方が、「見事予想が当たった人の中からお一人様に、新郎新婦からプレゼントがございます」と言い出したのだ。
その瞬間、私は本気で何色のドレスであるかを考え、予想し、投票した自分の行動を悔やんだ。何しろ私という人間はこれ以上なくくじ運の悪い人間であり、尚且つここぞという時に派手な失敗をやらかしてしまう人間でもあるのだ。その私が水色に投票している。私は思った、「まさか自分が当たってしまうのではあるまいか」と。
投票の時、ちら、と箱の中を見てみた限りでは、どうやら水色への投票が最も多い様であった。だからまあ大丈夫だとは思うけど…とは思っていた。思っていたのに、本当に当たってしまったのであった。
一生の思い出となろう舞台でのこの引きの強さ。私はこの日ほど、自分の運の悪さを恨んだ事はない。水色には軽く十人は投票していた筈であるのにも拘らず、ピンポイントで当てられてしまうのだから。半分冗談、しかし半分本気で「当たっちゃいそうだな…」と思っていた自分は凄いと思うが。

流石に身内が当たってしまうのはどうか、という事でプレゼントは改めて抽選して別の人に贈呈されてその場は一件落着となったのだけれど、でもこの話にはまだ続きがある。
つい一昨日の話だ。何とか三日ばかりの休みを取って家へと帰って来た姉、並びにその旦那さんのご両名が、なにやら私に渡したいものがあるという。聞けば、あの時当たっちゃったけど何にもなく終わっちゃったから、その代わりに、との事。
何だ何だ? 早速包みを開けた私の目に飛び込んで来たのは…

PSP

私はこの日ほど、自分の運の悪さを感謝した事はない。



06/01/10(火) 第339回 じゃんけんの不文律

「グー」は「石」
「チョキ」は「鋏」
「パー」は「紙」

「鋏」は「石」を切れないから「鋏」<「石」
「鋏」は「紙」を切り刻むから「鋏」>「紙」
「紙」は「石」を包み込むから「紙」>「石」

でもちょっと待て、「紙」に包み込まれた「石」はさしたるダメージを負った訳じゃないぞ?

「鋏」は「石」を切ろうとした事で刃こぼれを起こしたと言えよう。
同様に「紙」は「鋏」によってバラバラに切り刻まれ最早再起不能。
しかし「紙」に包み込まれただけの「石」はどうだ。別に傷付けられた訳でも、砕かれた訳でもなかろう。だのにお前は何でそんなさあ、ただ「紙」の奴に包まれただけで簡単に根を上げちゃうんだ?
この件はどうやら次の事実を示している様だ。

世の中に存在する、普く「石」は閉所恐怖症

だったら、許す。



06/01/11(水) 第340回 じゃんけんの不文律(その2)

「グー」は「石」
「チョキ」は「鋏」
「パー」は「紙」

「鋏」は「石」を切れないから「鋏」<「石」
「鋏」は「紙」を切り刻むから「鋏」>「紙」
「紙」は「石」を包み込むから「紙」>「石」

一見、これは完全な三すくみの状態である様に見える。しかしちょっと待った。冷静に考えるとこれはおかしくないか。本当にこれは「三すくみ」と言っていい状態なのだろうか。
ここではまず「三すくみ」という言葉の定義を確認しておきたい。よく蛇、ナメクジ、蛙の三生物で説明される通り、蛇はナメクジを恐れ、ナメクジは蛙を恐れ、そして蛙は蛇を恐れ、それぞれが互いに牽制し合う為自由に行動が出来ない状態、これこそが「三すくみ」だ。
では改めて考えてみよう、「石」「鋏」「紙」の三物質ではどうか。鋏は石を恐れ、石は紙を恐れ、そして紙は鋏を恐れる。昨日の考察より石の奴が閉所恐怖症らしい事が分かったので「石は紙を恐れ」の件も不思議ではなくなるのだから、どうだろう、やはり特におかしい所はないではないかと思われるかもしれない。ただ、

ただ…

何で「鋏」は「石」を恐れてるんだ?

鋏が石を天敵としているのは、鋏が石を切り刻めないからであった。しかしよくよく考えてみるとこれは変である。どう頑張ったって鋏で石を切る事が出来ないのは覆しようのない事実だが、ならば楯突かなければいいだけの話ではないか。己の刃が欠けてしまうのは、わざわざ勝てもしない勝負を石に挑むからであろう。なのに何故お前は毎度毎度石に歯向かってしまうのだ。
そこからうかがえるのは、後先を考えずにまず行動を起こす青年の姿である。戦略なんてものとは無縁のパワー溢れる若者の姿である。元気だねえ、荒々しいねえ。オジサンは羨ましいよ。誰がオジサンだ。
一方でどうか、閉所恐怖症の石たるや。鋏や紙が、それぞれ相手に対して猛然と立ち向かう中で、こいつだけはただ一方的にやられるだけである。成す術もなく紙に包み込まれるのみならず、圧倒的に優勢の立場にいる鋏相手ですら、相手が切り込んできた挙句負けるのを待っているだけなのだ。
そこからうかがえるのは、何事も「誰かがやってくれる」と思っているダメ人間の姿である。自分からは決して行動を起こさないダメ人間の姿である。

しかも、閉所恐怖症なのである。


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