Before
ジャイアン「ホゲェ〜♪」
After
きれいなジャイアン「捕鯨の問題はもっと皆、身近な問題として真剣に考えるべきだと思うんだ。確かに今、僕達は鯨肉を食べる機会がほとんどない。だけど『食べないから獲らなくていい』とか、『可哀想だから獲るべきじゃない』とかそういう単純な発想でこれを非難するのは良くないと思う。捕鯨反対国はそれをしちゃってるんだよね。一方捕鯨賛成国の日本は、個人的には、反対諸国よりかよっぽど科学的理論に基づいた根拠を提示してると思うけど、今年国際捕鯨委員会からの脱退を臭わせる発言をしたりとか、少し意固地になっちゃってる所があるのが気になる。長年訴え続けてきた捕鯨再開の声がことごとく不毛な議論によって斬り捨てられる事への憤りは僕もよく分かるけどね。でも、ただでさえ一部の環境保護団体との軋轢が生じてて、例えば最近ならつい一年半前に調査捕鯨中の捕鯨船と講義行動を起こしていた某団体のボートとが衝突する事故が起きたけど、こうした背景もあってますますこじれている関係を、IWCからの脱退をほのめかす事でより険悪にしてしまうのは良策じゃあないと思うんだ。だから、じゃあどうすればいいのかはよくは分からないけど、でもまずは、ただ自分の意見を主張して相手の意見を否定するばかりでなく、相手国の歴史を知り、文化を尊重し、そこに生きる人々の思想を理解しようと努める事から始めるべきじゃないかな。僕に言わせれば、この問題について議論していると言う人達は本当はまだ議論のテーブルに着いてすらいないよ。初めから相手の腰を折らせようとしている人達同士が話し合った所で、双方共に納得の行く結論なんて出る筈はないんだから。捕鯨問題を知って、僕は思った。これは確かに、一朝一夕に答えの出る様なものじゃないかもしれないけれど、他国の文化や考え方に触れる良い機会であるとも言えると。ますますグローバル化が進んでいくであろうこの世の中で、どうしたってこれから接触せずにはいられなくなる外国文化の事を一度深く考えるまたとないチャンスなんじゃないかと。僕は、多くの人にこの問題の事を知ってほしい。そして考えてみてほしい。だから僕は定期的に、捕鯨問題について問うシンポジウムを開催し、来てくれた人達にその重要性を説いているのです」